木造の彫刻作品をネットで検索していた時のことだ。聖母マリアが昇天している祭壇彫刻に眼が止まった.マリアをたたえる12使徒が木彫とは思えない精緻な姿に圧倒された。それ以来本物を見たいという気持ちが心のどこかにに宿り、7年が経過した。
ティルマン・リーメンシュナイダー 1460年(?)ドイツ・デュ―リンゲン北部で出生。1483年ヴェルツブルグに移住。彫刻のマイスターと知られ、祭壇や墓碑の彫刻を手掛ける。教会や市民からの注文によって制作され、世界にはおよそ450体もの作品があることが知られている。
リーメンシュナイダーの作品は、ドイツ各地の美術館や教会に展示されている。特にミュンヘンにあるバイエルン国立博物館、ヴェルツブルグのマインフランケン博物館に多くの作品が収蔵されている。聖母マリアの昇天の祭壇はヴェルツブルグから南へおよそ92㎞の小村「クレクリンゲン」のヘルゴット教会で鑑賞できる。
ローテンブルクからクレクリンゲン行のバスを待つこと30分。いくら待ってもバスは来ないので、行き先をデトヴァングに変更。市の中心地から歩くこと1時間。タウバー渓谷の中にロマネスク様式の楼門が建つ「聖ペトロとパウロ教会」を訪ねた。教会は961年ー984年の間に建てられ、ひっそりと佇んでいた。祭壇までの身廊をゆっくり進むと、ティルマン・リーメンシュナイダーによる「磔刑の木彫祭壇」が待っていた。